システム監査人育成

(1)はじめに
(2)システム監査技術者試験


(1)はじめに
 「システム監査人」と「システム監査技術者」
 通常、システム監査の実施者を「システム監査人」と呼びます。システム監査という意味では、企業内部でシステム監査を実施する場合は、監査対象となる組織から独立した部室に所属していることが重要となります。
 「システム監査技術者」は、システム監査技術者試験の合格者を指していう用語です。「技術者(engineer)」という響きに違和感を唱える人もいますが、それはシステム監査技術者試験が、情報処理技術者試験の中に位置付けられているからであり、「システム監査の実施に必要な能力を備えたと認定されたシステム監査人」と理解すればよいでしょう。

 重要なシステム監査人育成、システム監査技術者育成
 ネットワーク化が進展し、電子政府へ向かっている経済社会、その一方でシステム障害の発生やリスクが多様化する状況を考慮すると、システム監査の役割は、今後益々重要になっていくことは間違いありません。
 しかし、システム監査の実施者としての「システム監査人」、「システム監査技術者」の数は、多くありません。我が国にとって、「システム監査人」の育成は非常に重要な課題といえます。

 システム監査人育成のために
 「システム監査人」はどのようにして育成すればよいでのしょうか。その答えは、「システム監査技術者試験」がどのような人材を想定し実施しているか、その「スキル水準」に見ることができます。参考として、システム監査技術者試験の概要、出題範囲を掲載しておきます。


(2)システム監査技術者試験
 システム監査技術者
 被監査部門から独立した立場で、トップマネジメントの視点で、情報システムが経営に貢献しているかどうかを、安全性、効率性、信頼性、可用性、機密性、保全性、有用性、戦略性などの幅広い側面から総合的に調査し、あるべき姿を描くことによって、自ら形成した判断基準に照らして評価し、問題点について説得力ある改善勧告を行う者

<役割・業務>
 内部監査人として、情報システムを総合的に点検・評価し、監査結果をトップマネジメント及び関係者に説明し、改善点を勧告する業務に従事し、次の役割を果たす。

@監査計画を立案し、監査を実施し、監査結果をトップマネジメント及び関係者に報告する。
A情報システムに関する内部統制機能の改善を促進し、その実効性を担保することによって、企業経営はもとより、情報社会・ネットワーク社会の健全化に貢献する。

<期待する技術水準>
 単に情報処理の視点からだけでなく、情報システムが企業及び社会に貢献できるように改善を促進するため、次の幅広い知識・経験・実践能力が要求される。

@ビジネス要件や経営方針に合致した監査計画を立案できる。
A情報システムの企画・開発・運用段階において、効率的な監査手続を実施するための監査技法を適時かつ的確に適用できる。
Bビジネスアプリケーションが適用される業務プロセスの現状に関し、その問題点を洗い出し、問題点を分析・評価するための判断基準を自ら形成できる。
C監査結果を論理的に矛盾のない報告書にまとめ説得力のある改善勧告を行うことができる。
D監査の実施に当たって必要となる情報技術及びその技術動向を理解できる。
E外部環境の変化を捉え、組織の将来像を描き出すことができる。

---以上、情報処理技術者試験 出題範囲、試験の対象者像から

 システム監査技術者試験 午後試験の範囲
1.情報システム・通信ネットワーク・システム監査全般
 経営一般、情報戦略、情報システム・通信ネットワークの評価、リスク分析と情報セキュリティ、セキュリティポリシ、情報システム・通信ネットワークのリスクとコントロール、内部統制(全般統制・アプリケーション統制・安全統制)の評価、他監査との連携・調整、情報技術動向の把握等
2.システム監査の計画
 監査目的の設定、中長期計画書・基本計画書・個別計画書の作成 等
3.システム監査の実施
 実施準備、予備調査、監査手続、本調査(企画・開発業務・運用業務の監査)、評価・結論、監査調書の作成、監査証拠の収集、システム監査技法の適用、システム監査業務の管理等 
4.システム監査の報告
 監査報告書の作成、監査意見形成、改善勧告、フォローアップの実施、年次監査報告書の作成 等
5.システム監査関連法規
 セキュリティ関連・プライバシー保護関連・知的所有権関連・労働関連・法定監査関連法規、システム監査に関する施策 等

---以上、情報処理技術者試験 出題範囲、午後の試験から


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